診察時にペットフードについてよく聞かれるのは、
「どのペットフードを選んだら良いのかわからない」という質問です。
ざっくりした選び方としては、
「総合栄養食」で、「動物種・ライフステージが適切なもの」であればOKだと思います。
が、それだけではあまり答えになっていないのかな、と思い、もう少し突っ込んだ回答をさせていただくこともあります。(あくまでも個人的見解ですが・・・)
私自身、自宅には愛猫が2人います。
別に回し者ではありませんが、うちの子たちには、ロイヤルカナンの満腹感サポートという療法食を与えています。どうやら2人ともこれが好きで、他のフードを与えたこともありますが、缶詰・パウチは何をあげても大体OKですが、ドライフードには好みがあり、どれでも良いということもないようです。食べることが好きなので、太らないために、カロリーが低くてボリュームが取れるものを選びました。
①本人が好きで喜んで食べてくれること
②食べても体調が悪くならないこと(吐いたり、下痢したり、皮膚症状などが出ないこと)
③安全であること
を基本としています。
③の安全性については、並行輸入品などの、メーカーが推奨していない経路では入手しないこと、
製造メーカーがペットフード公正取引協議会に加入しているかどうかを見るようにしています。
現在ではアメリカのメラミン事件があって、ペットフードにも法律(ペットフード安全法)があります。ただ、この法律ができる前は、何も取り締まるものはなく、ペットフード公正取引協議会という業界団体で、ルールを作り、それらを順守し、学術的な内容も話し合い、業界がより良くなるように努力を続けてこられた歴史があります。法律ができた今も、もちろん継続して、様々な取り組みをされています。そういったお話を聞くにあたり、個人的には、公取に加入しているメーカーさんの製品を使うようにしています。
https://pffta.org/index.html
誤解のないようにお伝えすると、もちろん公取に入っていないからダメなペットフードだという意味ではありません。敢えて選ぶなら、私自身はそうしているというお話として受け取っていただければなと思います。
あと、ちなみに、製造国は工場がある場所を示しますので、国産と書いてあっても、使っている素材が全て国産という意味ではないです。なので、あまり気にしていません。
文責:
神戸アニマルクリニック
獣医師、ペット栄養管理士、ペットフード安全管理者
神吉 紀子