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2023.06.16 感染症

狂犬病について

狂犬病ウイルスの感染により起こる最も重要な人獣共通感染症の一つで、発症すればほぼ100%の確率で死亡する疾患です。

私が学生のときに感染症学の授業で、犬やヒトが感染している映像を見ました。
痙攣する人や水を怖がる犬の様子(神経症状の1つです)などかなり衝撃的な映像でした。
 
以前、ニュースになっておりましたが、これまで清浄国として扱われていた台湾で、
野生のイタチアナグマに由来した検体を検査した結果、
狂犬病であることが確定診断され(2013年7月16日台湾行政院農業委員会発表)、
これに伴い2013年7月17日より台湾を狂犬病の非清浄国として扱われることになりました。
 
日本では1957年以降発生がないとはいえ、狂犬病予防法にのっとりヒトを守るため、
犬をはじめとする哺乳類を守るためにも、年1回の予防接種が勧められます。
※狂犬病予防法では、生後91日齢以上の犬で、年に1回狂犬病ワクチンの接種が原則的に義務付けられています。
 
4〜6月は狂犬病予防強化月間となりますので、ご希望の際は、獣医師会より届いている封書をご持参の上、ご来院ください。
封書は、飼い始め初年度は届きません(鑑札登録をすると翌年から届きます。)が、当院で手続きが可能です。
また、封書は届いたけれど、お忘れになったり紛失された場合も、手続き可能ですので、お申し出ください。
 
 
原因
狂犬病ウイルス(Rhabdoviridae, Lyssavirus)を保有する犬・猫およびコウモリを含む野生動物に咬まれたり、
引っかかれたりしてできた傷口からの侵入、 および極めて稀ですが濃厚なウイルスによる気道粘膜感染によって発症します。
 
潜伏期
平均1~2ヶ月(1週間から1年4カ月)
咬傷の部位により異なります。
 
宿主
狂犬病と呼ぶように “犬”がついていますが、ヒトをはじめ、すべての哺乳類に感染します。
 
症状
狂躁型:物事にきわめて過敏になり、狂躁状態となって動物では目の前にあるもの全てに噛みつこうとします。
麻痺型:全身麻痺が起こり、昏睡状態になって死亡。
狂躁型を経ずに終始麻痺症状のみのケースもあります。
 
予防
犬への狂犬病予防接種
 
よくある質問
Q:狂犬病予防注射はシニアになっても受けなくてはいけませんか?
A:狂犬病予防注射は法律で義務付けられているため、年齢を理由に接種しなくて良いことにはなりません。ただし、狂犬病予防注射による過敏症・アレルギーが発症したことがあるワンちゃん、直近で痙攣を起こしたワンちゃん、接種時に体調を崩しているワンちゃんなどでは接種を見送る(または猶予する)場合があります。
人の予防注射と同様に、体調の良い日に接種にお越しください。
 
Q:狂犬病予防注射の前後で注意することはありますか?
A:念の為、接種後2日くらいは、安静にお過ごしいただき、過度な運動は控えてください。
またシャンプー・トリミングも避けてください。
フィラリアやノミマダニの内服も、この2日は避けてください。
その他のお薬などを継続して服用されている場合や、他にご心配なことがある場合は、直接ご相談ください。
 
 
(参考) 動物の感染症
日本獣医師会(jsvetsci.jp/05_byouki/infect/01-rabies.html
厚生労働省(www.mhlw.go.jp

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