今年はインスリン発見から100周年ということで糖尿病のお話です。
注意)編集時:2021年12月1日 HP移管のため、旧HP内容を移しております。
驚かれる方が割といらっしゃるのですが、ワンちゃん・ネコちゃんにも糖尿病はあります。
ワンちゃんの場合は、多くがインスリンという血糖値をコントロールするホルモンが不足して起きるためあまり肥満は直接的に関係ないのですが、ネコちゃんの場合は、ヒトのいわゆるメタボリックシンドローム(生活習慣病)と同じ、要するに肥満による糖尿病が多いとされています。
【症状】
一般的な初期症状は
・お水をよく飲むようになる、オシッコをよくするようになる(多飲多尿)
・食欲が旺盛になる(多食)
・食べるのに痩せる
といった、あまり深刻なものではないのですが、進行すると嘔吐・下痢や食欲不振などを呈し、命に関わる病態に陥るので注意が必要です。
特にネコちゃんの糖尿病の場合は、前述の通り太っているネコちゃんが多いため、痩せてくることがあまり問題視されない傾向があるので注意が必要です。
よく食べ、よくお水を飲み、なぜかダイエットできているように見えて、一見健康に思えるからです。
ワンちゃんもネコちゃんも糖尿病では尿量がかなり増えますので、急に尿量や飲水量が増えたり、食べているのに痩せるようになった場合は一度受診ください。
【治療】
治療はワンちゃん、ネコちゃんともにインスリンの投与が必須です。
食事管理や運動管理なども重要ですが、多くの場合がそれだけでは管理が不十分です。
前述の通り悪化によって命に関わる場合がありますので、最初からしっかりとインスリン管理を行う必要があります。
インスリンの効き方は生活環境(食事の内容・量、あげるタイミングや運動状況など)の違いや個体差によって変わりますので、うまく管理できているかを、定期的な血糖値測定にて確認する必要があります。
効果が不十分な場合はインスリン量を増やしたり、不安定な場合は種類を変更したりと、調整が必要です。
安定的に血糖値のコントロールが可能となればワンちゃんでは寿命を全うできる場合や、ネコちゃんでは寛解(インスリン投与が必要ない状態)できる場合があります。
継続的に安定的な生活習慣(食事やインスリン投与)がとても大切な病気です。
生活で気をつけること、なかなか血糖値が安定しない場合の対処等のお話はその2に続きます。