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2024.10.30 腫瘍科

皮膚にできる腫瘤について

皮膚にできものが出来た場合、原因として炎症、腫瘍(良性、悪性)が考えられます。

見た目だけでは、鑑別することが困難な場合がほとんどですので、下記の通り、診断のためには検査が必要です。

 

【検査・診断】

・針生検(細胞診)

できものに細い針を刺し、吸引して細胞を採取します。細胞診で、採取された内容物によって炎症か腫瘍か大きく分けることができます。一部の特徴的な腫瘍の細胞を除くと、一般的には、良性・悪性を見分けることは困難なことが多いです。

無麻酔下で実施できるという点は大きなメリットです。

一方で、腫瘤の性質(サイズや硬さ等)などにより、細胞が採取できない場合もあります。

細胞診で腫瘍を疑う場合などは、確定診断のため、病理組織検査を実施することになります。

 

・切除生検(病理組織検査)

麻酔下で、できものを切除し組織を採取します。

採取した組織は、病理医により病理組織検査を行っていただき、診断されます。

できものが腫瘍の場合、どういった腫瘍か、良性か悪性か、などを判断されることになります。

 

 

【皮膚のできものの種類】

上皮系 毛包由来 ・毛包性嚢胞

・皮内角化上皮種

・毛母種

・毛包上皮腫 他

皮脂腺由来 ・皮脂腺腫

・マイボーム腺腫

・肛門周囲腺腫 他

表皮由来 ・乳頭腫

・扁平上皮癌 他

アポクリン腺由来 ・アポクリン腺癌

・アポクリン腺腫

・耳垢腺癌

・乳腺腫、乳腺癌 他

間葉系

 

独立円形細胞由来 ・組織球腫

・形質細胞腫

・肥満細胞腫

・リンパ腫 他

メラニン細胞由来 ・メラノーマ 他
軟部組織由来 ・脂肪腫、脂肪肉腫

・軟部組織肉腫

・血管腫 他

 

 

【症例写真】

皮脂腺過形成                   皮脂腺腫

       

 

肥満細胞腫                    軟部組織肉腫

       

 

【治療】

腫瘤の種類や転移の有無によって、治療方法はさまざまです。

 

一般的には、

・外科手術

・内科治療

化学療法(抗がん剤)

分子標的薬など

・放射線治療

などです。

 

ご家族の方針も踏まえて、しっかりと相談させていただきます。

 

皮膚にできものや、しこりを見つけられた際は、まずはご相談ください。

 

文責:獣医師 陣竹 千裕

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