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2024.10.09 感染症

愛犬のワクチンについて

愛犬のワクチン接種についてのお話をしたいと思います。

 

国内でワクチンが使用されている病原体は、下記の8種類があります。

世界小動物獣医師会(WASAVA)のワクチネーションガイドラインでは、これらをコアワクチン(★)、ノンコアワクチン(●)、非推奨ワクチンに分類しています。

 

〈ウイルス性感染症〉

・狂犬病ウイルス(★)

・犬ジステンパーウイルス(★)

・犬アデノウイルス(★)

アデノウイルス感染症は、1型による犬伝染性肝炎、2型による犬伝染性喉頭気管炎

・犬パルボウイルス2型(★)

・犬パラインフルエンザウイルス(◉)

・犬コロナウイルス

〈細菌性感染症〉

・レプトスピラ(◉)

・ボルデテラ(◉)

 

★コアワクチンとは

致死率が高く、世界的に重要な感染症に対するワクチンです

地域や生活様式にかかわらずすべての犬が接種を推奨されます

狂犬病ウイルス、犬ジステンパーウイルス、犬アデノウイルス、犬パルボウイルス2型が分類されます

 

◉ノンコアワクチンとは

ライフスタイルに合わせて必要になるワクチンです

犬パラインフルエンザウイルス、レプトスピラ、ボルデテラが分類されます。

 

 

現在、当院で接種できる混合ワクチンには、コアワクチンの含まれた5種、ノンコアワクチンが追加された7種、10種があります。

*注:ワクチンの種類については、ワクチンの入手状況により変動する場合があります。お問い合わせください。

 

○5種混合ワクチン

コアワクチン(犬ジステンパーウイルス、犬アデノウイルス、犬パルボウイルス2型、)が含まれます。これらの病原体は容易に伝播し、環境中のあらゆる場所に存在できます

地域や生活様式にかかわらずすべてのワンちゃんが接種推奨です

 

○7種混合、10種混合ワクチン

コアワクチンにレプトスピラ(細菌)のワクチンが追加されています。

レプトスピラの感染経路は、ネズミや野生動物の尿などが主です。症状は血清型にもよりますが、発症すると腎不全や肝不全、黄疸など重篤な症状を呈することのある感染症です。

レプトスピラには血清型があり、24血清群、250種類以上の血清型が知られています。そのうち、7つの血清型が家畜伝染病予防法の届出伝染病に指定されており、7種混合ではそのうち2つ(カニコーラ、イクテロヘモラジー)、10種混合では4つ(カニコーラ、イクテロヘモラジー、グリッポチフォーサ、ポモナ)含まれています。

発生地域または河川に近い地域に住んでいる場合や、旅行で湿地や池など自然の多い場所に近づく場合は接種がお勧めです。ただし、全ての血清型に対応したワクチン存在しないため、注意が必要です。

 

 

*どの種類を接種したら良いかお悩みの場合は、獣医師にご相談ください。

 

*ワクチン接種後の副作用の可能性を考慮して、できるだけ、午前中の接種をお勧めしております。

 

文責:獣医師 陣竹 千裕

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