このところ、地震や水害などの自然災害が続いています。
今一度、ペットと一緒の災害時の避難についてここでご紹介したいと思います。
過去に私自身も阪神淡路大震災で被災し、自宅が全壊、須磨の親戚のお家に家族5人+愛犬で避難しました。私たちは親戚の家が比較的近く、避難できたのですが、避難所に避難を余儀なくされる方もいらっしゃいました。
この阪神淡路大震災で報道などにより被災した動物たちが注目されるようになりました。
このところ、地震や水害などの自然災害が続いています。
今一度、ペットと一緒の災害時の避難についてここでご紹介したいと思います。
過去に私自身も阪神淡路大震災で被災し、自宅が全壊、須磨の親戚のお家に家族5人+愛犬で避難しました。私たちは親戚の家が比較的近く、避難できたのですが、避難所に避難を余儀なくされる方もいらっしゃいました。
この阪神淡路大震災で報道などにより被災した動物たちが注目されるようになりました。
●環境省でも、「人とペットの災害ガイドライン」を作っています。
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h3002.html
●神戸市も、2024年災害時のガイドラインができました!!是非参考にしてください。
https://www.city.kobe.lg.jp/a84140/kenko/health/hygiene/animal/606242196050.html
災害対策としては、「自助(自分で自分を守る)」「共助(周りとの連携で自身を守る)」「公助(公の対策で助けてもらう)」ことが考えられていますが、何より自助が大切だと言われており、平常時からの備えが非常に重要です。
ここでは、動物を飼っている飼い主様が平常時からできる対策についていくつかご紹介したいと思います。
① もしも災害によって、はぐれてしまった時の対策
・迷子札をつけておく
最近では市販の可愛い迷子札も多く見かけます。飼い主様に連絡がつくようにご連絡先が記載できるようになっています。
・狂犬病予防法に基づく鑑札・済票を装着する
当院では首輪に装着できるようにリングもあわせてお渡ししております。
・マイクロチップを挿入しておく
飼い主様と離れ離れになっても、マイクロチップの番号をリーダーで読み取り、データベースに登録された情報と照合することで、飼い主様のもとに戻ってくる可能性が高くなります。
通常の注射針よりは太い針を使用し、マイクロチップを動物の皮下へ挿入します。
2022年6月1日より、法律でマイクロチップの義務化に伴い(すでに飼育されている動物さんは対象外)新たにペットショップやブリーダーさんより、ご家族に迎えられた動物さんについては、すでにマイクロチップが入った状態になっていると思います。
そのマイクロチップの番号と飼い主様のお名前、住所、連絡先などのデータを、環境省のデータベースに登録する必要があります。
すでに飼育されている動物さんについては、新規でマイクロチップの挿入は努力義務ですが、挿入した場合は登録することが義務となります。
マイクロチップの写真(一例)
②防災グッズを備えておく
●ペットシーツ(5枚以上)
●うんち取り袋(市販のものもありますし、写真のように、ビニール袋にトイレットペーパーを入れて備えておくのも便利です。)
●愛犬・愛猫用ウェットシート
避難所ではお水が十分あるとは限りません。お部屋にあがるときに足の汚れを拭き取ったり、お口や排泄あとの汚れ対策に便利です。
●水飲みトレイ
折りたためるものが理想
●愛犬・愛猫用のお水
人のお水のペットボトルでもよいです。(軟水)
●アルミシート
あれば尚良いのは、動物の居場所に敷けるシートです。中でもアルミシートを持参しておけば冬場に体温の保持や防水もできるので何かと便利です。
●継続的にお薬を投薬している愛犬・愛猫には
災害時には、動物病院も被災している場合があり、いつもの先生のところにお薬を取りに行けないケースも考えられます。そのため、お薬手帳か、これまでのお薬の内容がわかるようにメモしておくと良いですね。
動物にお薬を処方する場合、一般的には体重で投薬量を決めるため、人のように、「成人」「小児」という大きな区分ではなく、その子その子で異なります。
そのため「種類」、「量」、「投薬回数」がわかるとスムーズです。
当院では、お薬を処方する際に「お薬情報がわかる用紙」をお渡ししています。
ちなみに、当院に通院されている定期的に自宅で点滴が必要猫ちゃん飼い主様の中にも、
「災害時に備えて1ヶ月分余分に処方してください。」と、おっしゃってくださっている方もおられます。ご自身の備えだけでなく、こういった備えにまで考えを巡らせていただいて、感動しました。
●上記のものを1つにまとめて持ち出せる袋
●別途、いつも使用しているフードを多めに備えておくことも大切です。
特定の療法食を使用中の場合は、1ヶ月分ほど、余分に備えておくと良いと思います。
首輪・リード・ハーネスも用意が必要です。
これ以外にも必要なものはご家庭により異なるかとは思いますが、最低限上記のものを手配されていると助けになると思います。
③ その他の注意点
・災害時にいきなりできることではないですが、避難所で生活をする場合は、何より普段からのしつけが重要です。
ご家族やご家族以外の人・動物、そして物音などにも慣らす習慣をつけましょう。
ご家庭での訓練が難しい場合や現時点で何か問題行動等でお困りの場合は、我々獣医師や行動学の専門家に相談することも1つです。
参考)動物行動学クリニックなかの
当院では行動学専門の獣医師をお呼びして、当院内で指導を受けていただくことができます。
ご自宅に出張で行っていただくことも可能です。
・同行避難と同伴避難
同行避難は愛犬・愛猫と一緒に安全を確保できるところまで避難することです。
それに対して、同伴避難は愛犬・愛猫と一緒に安全を確保できるところまで避難したうえで、飼い主様がお世話をできる環境があることです。(必ずしも同じお部屋の中とは限りません)
同伴避難できることが理想ですが、施設などの制約により、同行避難になることが多いです。
その場合、動物たちは個体で管理されるのではなく、群で管理されることになるため、集団での感染症に備え、普段から予防接種や感染症対策を行うことが重要です。
阪神淡路大震災のときも、それ以外の他地域の震災のときも、誰も予測できず、いきなり天災がやってきました。それを思うと、普段の平常時からの備えが本当に大切だと改めて実感しました。少しでもこの内容が皆さまのご参考になりますように。