暖かくなると、人も過ごしやすいのですが、厄介なことに、ノミの繁殖も活発になります。
ノミに吸血されると、様々な被害が犬や猫、そして飼い主様にも起こる可能性があるため、定期的な予防をお勧めします。
実際に、今年もすでに何頭かノミの被害に遭われたワンちゃんや猫ちゃんが来院されています。
なんなら、飼い主様は気づかれておらず、ワクチン接種の診察の際に、身体検査をしたらお腹にノミが走って、ノミがいますね→飼い主様「ぎゃ〜」となったケースもあります。
愛犬・愛猫の様子や、被毛に黒い粒々(ノミの糞かも・・・)が付着していたら怪しんでください。
今回は、ノミについてのお話と、よく質問をいただく、塗布タイプのノミ・マダニ予防薬の使い方についても、ご説明したいと思います。
●ノミの予防、なぜ必要?
なぜ必要か。
それは、「愛犬・愛猫および飼い主様がノミによる被害を受けないため」「ノミからうつる疾患にかからないようにするため」です。
①ノミが動物に寄生すると吸血します。→大量寄生によって貧血が起こります。刺されたところが皮膚炎になることも。
②その際、ノミの唾液が動物さんに入ります。→ノミアレルギーを発症することがあります。めっちゃかゆい。
③ノミが寄生虫(瓜実条虫)を持っていると、毛づくろいでノミごと口にしてしまった愛犬・愛猫の便には瓜実条虫(サナダムシ)が出てきます。→寄生虫疾患のため、駆虫が必要になります。肛門に米粒みたいなのがついてたらドキッとしてください。
そして、人においても、刺されたらかゆいし、ヘモバルトネラという菌をもっているノミに寄生された猫ちゃんに引っかかれたり咬まれたりすると、「猫ひっかき病」という病気になって、高熱やリンパ節の腫脹などが認められたり、免疫力が低下している方では、重症化することがあります。(院長は若かりし頃かかって、高熱に冒されていました。)
●どうやって予防するの?ず~っと予防しないといけないの?
ノミは13℃を超えると活発に繁殖するので、1つの目安はこの数字です。
ただ、室内にノミを持ち帰ってしまうと、室内は年中13℃を超えていることが多いと思いますので、そのリスクを考えると年中予防するのも1つの選択肢です。お散歩コースや、他の動物さんとの接触も踏まえて時期をご検討ください。
予防自体は、いくつか方法がありますが比較的簡単です。
・塗布タイプ(スポットタイプ)のお薬を使う
約1か月ごとに、首の後ろあたり(振り返っても舐められない部分)に、お薬を塗布します。
ワンちゃんでは、フロントラインプラスやレボリューション、
ネコちゃんでは、フロントラインプラスキャットやレボリューション、それにネクスガードキャットコンボなどのお薬があります。(ブロードラインという製品は終売になりました。)
いずれも、ノミ予防以外にも薬によってさまざま効果があるので、どれが適切かお尋ねください。
つけ方 ⇓⇓⇓
①毛をかき分けます。
②毛の上ではなく、地肌にお薬を付けます。
③何か所かにわけてつけてください。(薬がそこそこあるので、垂れないように)
完了!
・チュアブルタイプ(おやつタイプ)を使う
これはワンちゃんだけになりますが、おやつタイプもあります。
月に一回ただただ食べればOK。
残さずに。
完食でお願いします。
当院で取り扱っているのは、シンパリカというお薬です。
シャンプーを頻繁にする場合や、塗布タイプが苦手な場合、多頭飼いの場合もお互いが塗布された薬を舐めあってしまうこともないので、使いやすいです。
見ていると、たいていのワンちゃんは食べてくれます。
が、、、好みが結構あるワンちゃんだと、プイっとなることも。
シンパリカは、経口ノミマダニ予防薬の中では、嗜好性が比較的高いと言われています。
ノミについて今回ご説明してみました。
ご不明な点や、どうしようかな~と悩まれる場合は、遠慮なくご相談ください。
マダニについても、またの機会にご説明させていただきたいと思います。